#book 誉田哲也『武士道セブンティーン』『武士道エイティーン』


誉田哲也の武士道3部作読みました。

武士道と言っても武蔵的なあれではなく、高校生女子が剣道やあれやこれやを通じて成長していくというイイ話。第1部『シックスティーン』は主人公 香織と早苗の出会い、香織の剣道に対する迷い、早苗の転校まで。第2部『セブンティーン』は逆に早苗の剣道に対する迷いが描かれ、第3部『エイティーン』はお互いに迷いを吹っ切り、かつ同じ剣道(武士道)を志す二人としてインターハイで再度相見えるという設定。それと『エイティーン』では、香織と早苗の周辺の人たちの、いろいろな過去や思いがオムニバス形式で組み入れられています。

なので、3部読まないとだめです、これは。

香織と早苗の、ちょっとずれたトークが楽しかったり泣けたりするのはもちろんですが、それ以外で好きだったのは、早苗と緑子(早苗の姉、モデル)のガールズトーク。ちょっといじわるなキャラで登場する緑子が、実は妹想いだというギャップ。また、香織と早苗の後輩にあたる美緒の、香織に対するあこがれや、その反動での早苗に対する嫉妬もかわいい。

それから全くカラーは変わりますが、オムニバスで描かれる桐谷道場の血塗られた歴史とか、酔っぱらい吉野先生の昭和レトロな過去とか。高校生女子のキャピっとしたストーリーに、いい感じで、グレーでダークな感じを加えて浮ついた感じを消しています。(もしかしたら、こういう異質なものを加えるのが嫌いという人もいるかとは思いますが)

映画では香織を成海璃子、早苗を北野きいが演じてます。般若の刺繍の竹刀袋と、逆八の字まゆげという、ちょっと強面の香織と成海璃子。ふわふわゆるゆる、お気楽不動心の早苗と北野きい。この2人を脳内で重ね合わせて読むだけでも、かなり楽しめる3冊。

日常のあれやあこれやに蝕まれてしまった心を、もう一度、16歳〜18歳のころのそれに浄化したい人におすすめ。かっこ、16歳〜18歳のころの心がきれいだった人に限る、かっこ閉じ。

ちょっとだけ意地悪な言い方をすると、登場する高校生がみんなしっかりし過ぎていて、フィクションだからありだけど、リアリティはなし、という一面はあるかもです。

こちらもどうぞ → 誉田哲也『武士道シックスティーン』




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