#literature 太宰を読む百夜百冊 〜第六十二夜〜


三鷹ネットワーク大学で開催されている
太宰を読む百夜百冊 〜第六十二夜〜
行ってきました。近くでこんなに良い勉強会をやってるとは。もっと早くに気づくべきだった、でも残り38回もあるのが嬉しい。

今日のテーマは
ヴィヨンの妻 〜 身勝手でわがままなダメ男とその妻の物語
石原美知子との結婚までは、カタストロフィーな生活を送っていた太宰治。それは一種の心の病、境界性人格障害だったのではないか?と言う話。太宰は生涯に5回の自殺をはかり、4回が未遂に、そして5回目にとうとう死に至ります。

1回目:20歳、試験前日
2回目:21歳、本家除籍、小山初代と結婚。カフェの田辺あつみと鎌倉にて。
3回目:26歳、大学を中退、都新聞への入社試験に失敗。
4回目:28歳、初代の不貞を知り。初代と。
5回目:38歳、太田静子出産、結核に感染。山崎富栄と玉川上水にて。

境界性人格障害の典型的な症状は、「見捨てられ不安」らしいのですが、成績が下がったことで親から見捨てられるのでは(1回目の自殺未遂)、本家から除籍され見捨てられるのでは(2回目)、大学にも新聞社にも居場所を作れず社会から見捨てられるのでは(3回目)、初代に見捨てられるのでは(4回目)、戦後の環境の変化や自分の健康の悪化から世の中から見捨てられるのでは(5回目)という不安が根底にあったのではないかと解説されていました。

マルクス主義に影響を受け、自分がブルジョア階級であることを悩み、自分の存在に矛盾を抱え続けた末の自殺という通説もありますが、境界性人格障害にも十分、説得力あります。「見捨てられ不安」だけでなく、境界性人格障害のその他の症状である「不安定で激しい対人関係」「衝動性」「慢性的な虚無感」についても、やはり該当するものがあるとか。

人に迷惑をかけながらも、人に見捨てられることに怯え、また人に迷惑をかけてしまう。そして周囲も(特に女性が)そんな太宰を放っておけない。やはり愛されキャラだったんだなー、と改めて考えさせられました。

見る視点が違うと、そこにまた別の太宰治が浮かび上がる。違った魅力をかいま見せてくれる良い講義でした。次回は22日の予定。




    コメントする

    以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

    WordPress.com ロゴ

    WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

    Twitter 画像

    Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

    Facebook の写真

    Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

    %s に接続中



フォロー

Get every new post delivered to your Inbox.