和田竜『のぼうの城』


痛快戦国エンターテイメント。史実を元にしながら、おそらく映像化することをきっちり狙って書いた作品だなーという印象。おもしろいです!

秀吉による北条征伐の際、石田三成率いる2万の軍が、500名たらずの忍城を攻めたというのは本当の話。そして、そこを守るのがのぼう様こと成田長親と、正木丹波守、柴崎和泉守、酒巻靱負の3人の家老。そしてのぼう様を慕う兵や百姓たち。

東国の武将らしく凛とした力強さを示す3家老に対して、百姓仕事が大好きで、でも不器用で手伝いもさせてもらえない長親。ついたあだ名が、でくのぼうで、のぼう様。そんな、うつけキャラですが、何が正しくて何を守るべきなのかを判断できる人。誰も口にできなかった開戦を決意したり、不利な戦局を打開するために自ら奇策に打ってでたり。最終的に開城(降伏)することにはなるのですが、最後の開城条件の交渉シーンは痛快です。

普段はうつけでも、いざという時に将器を示す。本文の言葉を借りれば

.. 名将とは、人に対する度外れた甘さを持ち、それに起因する巨大な人気を得、それでいながら人智の及ばぬ悪謀を秘めた者のことをいう ..

のぼう様の、そんな魅力がいっぱいです(のぼう様のようなリーダーは、物語の中でしか存在しないのでしょうか?)。

ただ、原作で残念なのは甲斐姫とのこと。これは原作で読んでみてください。

また、映画について残念なのは、水攻めシーンがあまりにリアルなため、その部分を作り直して、公開を今年の秋に延期したこと。苦渋の決断だったのだと思います。

そして、もう一つ。キャスティングがガッカリなところ。大河ドラマ「江」の出演者が、違う立場ででているのも興醒め。(これはまったく個人的な感想です)

成田長親:野村萬斎 → のぼうな雰囲気がしない、どちらかというと三成
正木丹波守:佐藤浩市
酒巻靭負:成宮寛貴 → もっと若武者なはず
柴崎和泉守:山口智充 → 弱そうw
甲斐姫:榮倉奈々 → ただの町娘っぽい..
珠:鈴木保奈美 → お市の方なのに..

ちどり:芦田愛菜 → この辺りはハマり役かも
たへえ:前田吟 → この辺りはハマり役かも

豊臣秀吉:市村正親 → 光秀なのに..
石田三成:上地雄輔 → 眉目秀麗・頭脳明晰キャラなのに、一番ガッカリ
大谷吉継:山田孝之
長束正家:平岳大 → もっと小物なはず

イヤだったら見なければいいだけなので見ないでおこうと思いますが、原作はOSUSUMEですー




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