山本兼一『利休にたずねよ』

大河ドラマ「江 〜戦国の姫たち」でも登場する千利休。ドラマで石坂浩二演じる利休が自害したのは2ヶ月くらい前だったでしょうか。
「利休にたずねよ」は、利休の半生を、利休の周囲の人々との関わり合いを中心に描いた歴史小説。高麗の女性との出来事はフィクションですが、それ以外は史実に基づいており歴史小説として安心して読むことができます。物語全編を通して存在感を放つ高麗の女性、そしてその女性を暗示する緑釉の香合が、複数のエピソードという形をとるこの小説に、一本の縦糸を通しているといえるでしょう。
しかも複数のエピソードは利休の死の当日から始まって、だんだんと過去に遡っていき利休と高麗の女性とのエピソードへと行き着きます。つまり読者は、なぜ利休がそこまで苦しみ続けたのか、恋い焦がれ続けてきたのか、核心にだんだん近づくようで最後までお預け状態という構成になっています。この構成が、ページをめくる楽しみを倍増しているのかもしれません。
逆に、利休と高麗の女性のエピソードから始まって、利休の死で終わるのであれば、もしかしたら、ありきたりな歴史小説なのかもしれません。読後、よーく考えてみたら、よくあるストーリーだなーという気もしてきました。ストーリーそのものというより読ませ方が絶妙な一冊だったかもしれません。
オススメです!ちなみに直木賞受賞作です。
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