スティーヴン・ベイカー『IBM 奇跡のワトソンプロジェクト:人工知能はクイズ王の夢をみる』
『IBM 奇跡のワトソンプロジェクト:人工知能はクイズ王の夢をみる』 読みました。IBMマシンがクイズ番組で人間のチャンピョンを圧倒するまでの奇跡を描いた、プロジェクトX的な話。AI(人工知能)やエキスパートシステムの延長として人の質問に答えられるマシンを作るという目標設定がされ、その具体的な形として(日本ではあまり知られていませんが)人気クイズ番組「Jeopardy!」でマシンと人間を対戦させるという企画が浮上。それに向けてIBMはワトソン(Watson)という名前のマシンを開発します。
それは技術的にクリアできるのか、Jeopardy!の番組担当者と交渉可能なのか、仮に勝ったとしてその技術はビジネスシーンで本当に利用できるのか。さまざまな問題が噴出しますが、ストーリーは一貫して、IBMの研究者がんばった!という内容。IBM本だなーというところは我慢しなくてはいけないのですが、いくつか示唆的な内容が書かれていたのでご紹介。
何か一つの発展があるたび、人間はそれにあわせて頭の中を調整し、記憶や計算や道案内のますます多くの部分を自分の作り出した道具に任せるようになってきた — pp.26
インターネットを(脳に対して)人間の外部記憶という人もいますが、たしかに便利なツールやサービスが登場するたびに人は脳の使い方を調整しているのでしょう。一見すると怠惰になる方向に。でも、それは希少な脳を一番有益なことに使うための調整かもしれないし、その時その時における最適化なのかもしれないなーとも思います。
つまり脳は環境によって働き方を変えるが、それはその時の環境に最適化しようとするのであって、長期レンジで生き残ろうとするわけではない。大きな変化の前で調整しきれないこともきっとあるはず。長期レンジで生き残るために脳をどう働かせるか、トレーニングするべきかは別で意識的に(やはり脳で)考える必要がある。簡単に言うと、一昔前は「詰め込み」脳がちやほやされていたけど、今は記憶していることの価値は相対的にさがって「応用」脳が役立つ、でも10年すると応用は機械的にできるので**脳が重視される、みたいな変化。
今の自分の脳の働きは現状で役に立つよう調整済みなのか、長期レンジでの変化に調整する準備はできているのかと考えると、かなりドキドキします。
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こちらも参考に
http://www-06.ibm.com/ibm/jp/lead/ideasfromibm/watson/

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